 
            家を建てることは、私たちの一生のうちで、そう何度もなく、人の一生からすると大きな出来事となります。そこで、家が無事に完成し、住んでからも何の災いもなく、一家が幸福に過ごせるように、昔から様々な礼儀が行われてきました。そのうちの主なものを紹介します。
 地鎮祭は「とこしずめのまつり」といいますが普通は「じちんさい」といい、単に地祭り、また鍬入式という場合もあり、その土地の霊を鎮め祭る儀式です。万物には霊(生命)があるというのが、日本人の物の考え方ですから、土地にも霊を認めます。国というような広い地域の霊を国魂といい、建物敷地などの土地の霊を大地主神(おおとこぬし)といいます。そこで建築物を構築しようとする時に、まずその敷地の主である大地主神にご挨拶するわけですが、その土地に深い関係をもつ、その土地を守っておられる産土神やその土地にかつて住んだ故人の霊とか、動物霊に対しても真心のこもったお供え物をして工事の了解を願い安全無事故をお祈りします。
            
            工事が始まる前の良い日を選んで行います。
            業者さんと打合せされた後、早めにご連絡下さい。
            
            
            
            ◆地鎮祭に準備するもの
            ●お供え物
            1.米 1合
            2.酒 1升
            3.塩 1袋(小袋)粗塩1kg袋
            4.水 コップ1杯くらい
            5.魚 鯛1匹(受け皿)
            6.昆布 1袋
            7.野菜 白菜1(キャベツ) キュウリ・ニンジン各3
            8.果物 バナナ1房 リンゴ1 みかん5
            
            ●その他
            1.乾杯用の盃又は、コップ人数ほど
            2.笹竹4本(請負業者さんへ依頼)
            ※その他の器、祭具等は神社より持参します。尚、当日は定刻に始められるように早めにおいで下さい。
上棟祭は「むねあげのまつり」ですが、普通には「じょうとうさい」といい、単に棟上げ、又は建て前ともいいます。土台の基礎工事が終わり、骨組みを組み立てて棟木を上げるときに、家屋の守護神及び工匠の神をまつり、新築される家に災いがおこらないようにお祈りします。神来の後、餅や銭を撒いて災禍を除く儀式が行われ、式後の直会(なおらい)では建主が大工さんの労をねぎらいます。
 入居する前に新築した家を祓い清め、工事が無事に終わり、立派に家が完成したことを神様に奉告し、家庭の平安を祈るお祭りです。
            
            